ハゲと数学的帰納とモデル

http://d.hatena.ne.jp/shimo-neta/comment?date=20050207#c

をフト思い出して。

(1)髮の毛が生えていない人間はハゲである。(2)髮の毛がk本生えている人間がハゲであるならば、k+1本生えている人間もハゲである。(1)、(2)から、数学的帰納法によりすべての人間はハゲである。

は明らかに間違っているわけだけど何が間違ってるか、と、思い出したように考えたのでした。まぁすぐにわかったのだけども。

論理は完全にあってるんだけど、現象を数学に落とす際にミスがあって、ファジーな概念であるハゲを真偽のみで測っているのが間違っている。つまるところハゲを数学的に明確に定義していない。例えば0本髪の毛がある状態を100%ハゲとして段階的にそこからパーセンテージを減らしていくモデルをとった場合、数学的帰納は適用できない。また、0本髪がある状態がハゲである、とか10000本以下髪の毛がある状態がハゲである、などと真偽で測れる定義を取った場合 (2) の反例となる。

とまぁこんな例ならすぐ問題がわかるんだけど、もうちょっとややこしいand/or抽象的and/or目で見たことない物理現象とかを数学に落とす時にいいかげんな落としかたしちゃって一人混乱してることが最近結構あるなぁ…と自戒。

ヘンな前提/仮定/定義をしてしまうとあとはいくら数学的に厳密に進めたところで結果は歪む。こいうワナは自然科学より社会科学なんかの方で特に陥いると思う。統計なんかで意図的に歪めているケースもあるし。

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