Glen
Linux Chrome にちょっとおもしろいバグがあったので書いてみます。ある日、 Linux Chrome の閉じるボタンが (Glenさんという) 人の顔になるという change がコミットされました。何が起きてるかは以下のスクリーンショットが大変わかりやすいです。
http://www.flickr.com/photos/yanbe/3792080316/
それに対してみなさんがバグを登録。みんなヘンなオッサンとか魅力的な女性の方が良かったとか言いたい放題です。
http://code.google.com/p/chromium/issues/detail?id=18385
http://code.google.com/p/chromium/issues/detail?id=18397
http://code.google.com/p/chromium/issues/detail?id=18421
http://code.google.com/p/chromium/issues/detail?id=18506
個人的には二番目のバグの二人目の報告者のように問題が起きてるバージョンとかスクリーンショットとかをきちんと報告してくれてる人が逆に面白く見えたり。一番伸びた最初のバグの最後のコメントの
I already miss Glen...
みたいな感じでみんな遊んでて面白い。
さて、このバグは下記の commit で消されるわけですが、何故かその Glen さんの顔の画像は rename されてソースツリーの中に生き残ります。
http://src.chromium.org/viewvc/chrome?view=rev&revision=22391
それもそのはず、その直後に --glen オプションが新設され、そのオプションがつけられると Glen さんの顔画像が閉じるボタンとして使えるようになったのでした(Linux限定で現在も使えるみたい)。
その時のコードレビューのコメントの、 "Looks Glen To Me" も面白いです(Googleでコードレビュー中にゴーサイン出す時は Looks Good To Me 略して LGTM と言う習慣があります)。
http://codereview.chromium.org/159885
最後の仕上げに修正された後にユーザから別のバグレポートが上がります。曰く、「顔のボタンが出るべきところに X が出る」
Glen さん大人気
まぁ面白いよなぁ…いくつか追記。
そもそもなんで顔とか入れたんだよ! という話ですが、これは正確にはバグじゃなくて、意図的なものです。 Glen さんは UI designer で、 Linux 版の UI をはよ作れー作らんとお前の顔で代用するぞーと脅されていたそうです。で、実際実行されてしまって、 Glen さんはすみやかにかわりの絵を描いた、という。
このへんは chromium の IRC ログやら Tech Crunch に Peter Kasting さんが書いたコメント、 Glen さん自身のブログなんかで説明されています。
Tech Crunch: http://www.techcrunch.com/2009/08/05/chromes-new-feature-click-the-ui-designer-to-close-the-window/
Glen さんの個人ブログ: http://glenmurphy.com/blog/2009/08/new-chrome-30-beta.html
ブログやバグへの反応を見る感じ、たぶん Glen さん自身も面白がってる感じです。
あとなんかまぁこんなもの入れるなという感じの人もいるみたいですけど、 Linux Chrome ってまだ正式リリースしてない段階ですし、まぁいいんじゃないですかね。最初のリリースアナウンスでも、「ダウンロードするな!もし君が開発者か不完全で予測不能でたぶんぶっこわれてるソフトウェアが大好きだというのでないなら」とか言ってたくらいですし。何より面白いし。
その近辺の IRC の方もこうなんか、 I'm loling! とかいう感じで入ってきてこの顔誰やねんと聞いて、誰かが its glen と返事するというのがひたすら繰り返されてる感じで、これもまぁ面白い。