http://d.hatena.ne.jp/nishiohirokazu/20120906/1346938523
を読んで、なるほどー、でもカンマが必要というのは説得力が弱いな、と思ったので頑張ってみました。任意の Python コードを小文字アルファベットと丸括弧だけに変換できます。
http://shinh.skr.jp/obf/ppencode_py.html
根っこの部分
は西尾さんのコードと同じ、つまり
print(bytearray((XXX)for(x)in(YYY)))
です。これ正直私の Python 力では自力では出てこないと思いますね。。
西尾さんは YYY の部分が大雑把に ASCII コードに対応する物体の tuple になってます。ここに tuple が必要だというのが、西尾さんの「カンマを使わずにイテレート可能なオブジェクトを作ろうとすると…」の元だと思うのですが、まぁ range/xrange はカンマ使わないわけです。
任意の数字を作る
さて、 range 使うとなると文字列長をあらわす数字が必要です。特に 256 までは任意の文字を表現するために必須と言えます。
西尾さんはタプルの長さを使ったりして、適切なサイズの文字列を作って len してました。カンマが無いと、単項演算しか無いわけで、だいぶやれることが減るのですが、いろいろ考えてると、数値を引数として数値をいじってかえす関数をいくつか作ることができます。例えば
len(repr(zip(bytearray(i))))
は i に入ってる数値を 6 倍する関数です。こういう感じで、 3 倍するであるとか、 4 倍して 14 足すであるとか、微妙な材料が色々得られます。 2 倍とか +X とか便利なものはありません。要は repr で文字列を伸ばしていて、その前にした演算によって伸びる率が違う、って感じです。あとは数値を減らす手段としては bin, oct, str, hex を使って、 len(oct(i)) などとするのが唯一だと思います。これらは底を 2, 8, 10, 16 とした log_k(i)+1 として機能します。
まあそんな連中でも 1000 程度までの数字なら作れてたみたいです。残念ながら 256 文字も使えば既にすごく遅いので、 JavaScript でのエンコーダでは 255 文字までしかサポートされてません。できあがったテーブルは
http://shinh.skr.jp/obf/alpha_paren_py2_data.js
にあります。
これで、大元の for の右っかわができそうな気配です
print(bytearray((XXX)for(i)in(range(YYY))))
YYY にこの方法で生成した数字をあらわす式を入れれば文字列長だけのループが回せるのです。
テーブルをひきたい
さて XXX の部分です。連番の数字を入力として、テーブル引きをしないといけないです。普通のテーブル引きは [] とか , を使う必要があると思うので、ダメです。唯一考えられたのはクソ遅い条件分岐の連打です。こういうやつ
if i == 0: return XXX0 if i <= 1: return XXX1 if i <= 2: return XXX2 ...
i <= 1 をしたい
が、 i <= 1 から先は簡単でないです。数値 i を受け取って、 i が k 以下なら 0 、そうでなければ非ゼロを返す関数を作りたいわけですが…難しいです。手持ちの材料にあるのは定数かけ算と log(i)+1 です。そしてどっちも絶対に 0 を返しません。
なんかゼロになるもの…なるもの…と考えたところ、 48 がありました。 48 は '0' の ASCII code なので、 int(chr(48)) は 0 になるのです。というわけで、 1 を受け取ると 48 になって、 2 を受け取ると 49 から 57 の数字になる(Python の int 関数は数値じゃないもの受けると例外投げます)関数を探せば良いです。ありました。
len(repr(zip(bytearray(len(bin(len(repr(list(bytearray(len(repr(zip(str(bytearray(i)))))))))))))))
長いです。
比較をしたい
i <= 1 的なものができました。文字列長256までをサポートするとして、 256 個の i <= k 的な条件が並ぶので、残りの 254 個の k をどうにかしないといけないです。これは i が k 以下なら 1 、 k 以上なら 2 になるような関数をプログラムで探索すれば良いです。
0 を作るのと違って、これは割と現実的な話です。ひたすらかけ算を繰り返していくと、どこかでケタ上がりするわけで、 k 以下ならまだケタ上がりしてないけど、 k 以上ならケタ上がりしている、みたいな関数を探索すれば良いのです。 bin, oct, str, hex の 4 種類が使えるので、 2, 8, 10, 16 進数のどれかでケタ上がりしてれば OK です。
例えば、 i <= 3 は、 3 倍する材料は発見されているので、 len(str(i*3)) で良いです。 i == 3 の時は i * 3 = 9 はまだ 10 進数で一桁で、 i == 4 なら二桁になってるわけです。
この探索は、適当に総当たりをしたので、かなり時間がかかりました。
1, 2 だけにしたい
上記みたいな方法で作ると、 k より大幅におおきな数字に対して、 3 よりおおきな数字を返すことがあります。例えばさっきの len(str(i*3)) は i == 34 あたりから 3 を返しはじめちゃいます。
これの対処は簡単で、 len(str(i*6)) を繰り返せば良いです。 1 を 6 倍すると 6 なので 1 ケタですが、それよりおおきな数字はいずれ 2 に収束します。というかこれは log ですごく高速に収束するので、小さいプログラムの範囲では 1 回以上必要ないです。
これでできた比較用のテーブルは
http://shinh.skr.jp/obf/alpha_paren_py2_data.js
を CMPS2 で検索すると出てきます。
おまけ
なんのこっちゃですがだいたいこれ組み合わせるとできます。
str(bytearray()) の結果が全然違うため、 Python2 と Python3 両方で動くコードを作るのはどうも至難の技ぽかったので、しょうがないので別々にジェネレータを作りました。
あと、なんか Python3 のバグ踏んだ気がするので回避しておきました。暇な時に本当にバグか見ておこうと思っています。