WebKit のまとめとぼくと

とまぁ当初の予定より長々と書いたのですがたぶんこれで最後。インフルエンザ的な何かでディレイが生じました。

なんとなく、「基本的にはよくできてるけどそこらこちらに欠点もあるんだなー」という私の感覚が伝わってくれてたら嬉しいです。一般的に自分が多少なりと関わってるものは欠点がだんだん見えてくるって効果もあるとは思うんですが、 Chrome や社内なんかと比べてもやはり、寛容というか大雑把というか適当というか、そういう面が多分にあるように思います。

しかしまぁこれは私にとってはいいことで、それだけ初心者でもそれなりに手伝うスキがあるってことでもあるからです。そのへんは 50% のものを 80% にする方が 80% のものを 100% にするより好みだという話で、まぁ人によって違うんではないかと思います。

コードが難しいとかも私としてはむしろ楽しく感じすらする部分で、ドキュメントが無いとかもドキュメント読まずにドキュメント読めボケと言われるのが得意な私としてはむしろ好都合とさえ言えますし、気難しい人が多いのも割と殺伐としてるのも面白いなーとか、そんなこんな。

言い方を変えると気後れしにくいというか。すごくよくできてるコードの中にちょっと refactoring が必要そうな個所があると、「うーん何か考えがあってこういう構造になってるのかなぁ…」と思ってしまいますが、ちらほらアラが見えるようなコードだと「ああここもちょっとダメっぽい感じかなぁ」と気楽に直しに行ける気がします。

あと higepon さんが「遠慮なく書いている」と twitter でおっしゃっていたのですが、これはまぁ実際忌憚なく書いてたって面もありますが、しかし本当に忌憚なく書いたらもうちょい悪口ぽくなる気がするし、実際、雑談なんかではもうちょい色々言ってる気がします。例えば誰それが面白キャラとかそういうやつ。

http://twitter.com/higepon/status/7388178289

でまぁお前は何してんの、って話ですが、メインとしては CSS を中心に細々としたバグ修正をあれこれやってたという感じです。 CSS の test suite の結果がおかしいとか、クラッシュするとか、特定のサイトがやたら遅いとか、そういうやつ。例えばこれなんかはちょっと古い Chrome なり Safari なりだと 1. のところがずれてるんじゃないかと。これ Firefox もおかしいんでよくわからんのですが。

http://www.w3.org/Style/CSS/Test/CSS2.1/current/html4/t1205-c561-list-displ-00-b.htm

あとはまぁ空いた時間とかにちまちまツールの不具合とか未実装なところとかを直したり。そのへんは自分が不便を感じた部分が多いです。 Google の cpplint.py をいじって WebKit の style checker としてつっこんだり、 git で作ったパッチにまつわる不具合あれこれを潰してたいていのことは git だけで作業できるようにしたり、とかそういう。

細々とあれこれやってたおかげで patch の数だけはたくさんある状態になったので、なんかそろそろ前に少し書いた WebKit reviewer になれそうです。よくわかりませんが、転職に有利そうな資格と言えます。

なにかあれば下記メールアドレスへ。
shinichiro.hamaji _at_ gmail.com
shinichiro.h