マーチンゲール法

についてぐぐってみると、なんかたいてい1回目で1万損、2回目で2万損、…、って感じで書いてありまして、たいてい最後は1万プラスになるような table があるのですが

http://tinyurl.com/mcboy

なんかその説明はどうなんだと。結論として最初から五分のバクチなら何しようが五分のまんまだろうに、と思ったので。逆に反論としての、それだけ資金が続くかを考えた方が良いでしょう、みたいなのも少しおかしい。それじゃまるで資金が続けば一度は確実にもうかるかのようですし。

例えば63万持って1万スタートでやったとします。1,2,4,8,16,32と、ベット回数は6回です。だから、トータルで負ける確率は 1/2^6=1/64 で、勝つ確率は 63/64 です。儲けの期待値は -63*1/64+1*63/64=0 。プラマイゼロ。まぁあたりまえですね。

換言するとこういうことかと思います。負ける確率がたった1/64しか無い、1.01587倍の馬券があります。63万円賭けてみますか、と。

マーチンゲール法(要は倍プッシュ)で、儲けを倍プッシュしていった場合は、ちょうどその逆。1/64 の確率で63万がもうかり、 63/64 の確率で1万損することになります。結局勝つ確率が1/64の63倍の馬券に1万賭けたのと同じ。

また、これは完全に公平なバクチなので、複数回試行を考えて、 63万の資本で、63万をゲットするためにマーチンゲール法なり逆マーチンゲール法でやってるとすると、ちょうど 1/2 の確率で 2倍になるバクチに最初から 63万賭けたのと同じことになるはず。計算すると面倒そうだからモンテカルロとかで確認すれば良さげ。

結局、複数回参加できるバクチの倍率はある程度自分で調整できる…ってだけの話で、別に必勝法でも攻略法でもなんでも無いですね。マーチンゲール法の怖いところは、賭け金に対して収入があまりに少ないので、射幸心を満たせず、延々とやってしまうことかなぁ…と思います。

人間の幸福度ってのは資産に傾き1で比例せず、例えば log(N) など、傾きがどんどん落ちていく感じでモデル化すると良いと言われていて、これを効用関数と言うそうです。1000円持ってる人が1000円もらうととても嬉しいけど100000万円持ってる人が1000円もらってもそんなに嬉しくない、っていう話。傾きが落ちて行く以上、5分のバクチでも効用の観点からは損をしていることになります。ただ、バクチは例えば麻雀のプレイ自体が楽しいとか馬を見たり応援するのが楽しい、など、そういう意味で趣味としての効用があると思います。

まぁ、バクチは効用関数が壊れてる人がやるか(狂気の沙汰ほど面白い…!)、効用関数が平らな範囲でやって、趣味としての効用をあわせるとプラスになるとこでやらんとアレだなぁ…というだけの話。

なにかあれば下記メールアドレスへ。
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